胸腔鏡補助下手術の適応は、原則として開胸手術と比較し遜色のない根治手術が可能な病変です。胸腔鏡補助下手術は食道がん治療ガイドラインにおいては「試みとしての手術」になっておりますが、これまでに発表されている多数の胸腔鏡補助下食道手術の報告では根治性と安全性が示されています。胸腔鏡補助下手術は、5~12mmの皮切が3または4か所と5cmの小開胸で行い通常の開胸手術よりも小さい創で手術が可能です。
開胸創の縮小は術後経過にも大きくかかわり、胸腔鏡補助下手術のメリットとしては、①術後疼痛が少ない②創感染が少ない③肺合併症が少ない(呼吸機能が保たれる)④出血量が少ない、などがあります。
またデメリットとしては手術時間が若干長い、などが挙げられます。
胸腔鏡補助下手術は術後回復も早く患者さんへのメリットもあることから、同意を得られた患者さんには当院でも慎重かつ積極的にこの手術を行っております。