当院では最新の前立腺肥大症の治療レーザThuliumレーザ(ツリウムレーザ)を導入いたしました。
このレーザ治療は前立腺に対し従来から行われている一般的な手術療法・経尿道的前立腺切除術(TUR-P)やPVPレーザ治療に比べ、身体への負担が少ないだけでなく治療時間の短縮、出血の少なさなどヨーロッパ泌尿器科ガイドラインにて認められている画期的な治療方法です。
この治療機器を使った治療について、当院の泌尿器科専門医長永田卓士先生にお話を伺いました。
―どのような病気を治療できるのでしょうか?
永田「前立腺肥大症です。この病気は、良性の肥大でありガンではありません。前立腺は通常10代で胡桃くらいの大きさまで成長し、中年期にさしかかると再び成長(肥大)することがあります。この理由は明らかになっていませんが男性の約80%が80歳までに前立腺肥大症を発症すると言われています。」
―本治療の特長は何でしょうか?
永田「以下、主な特長です。」
・術後の痛みが少ない
・ハイリスク患者さんも治療可能
・抗凝固剤服用患者さんも治療可能
・短期間で尿道カテーテルの抜去可能
・術後速やかに尿の勢いが回復します
・手術後の男性機能への影響が少ない
―どのような術式ですか?
永田「経尿道的レーザ前立腺蒸散術手術は安全性と有効性が確立された治療方法です。合併症が少なく経尿道的前立腺切除術(TURP)と同等の有効性があります。また、抗凝固剤使用中の患者さんに対しても安全かつ有効に使用できます。現在、多くの施設で行われている経尿道的前立腺切除術(TURP)で報告される水中毒や輸血などのリスクや術後の勃起障害もこの経尿道的レーザ前立腺蒸散術では非常に少ないと報告されています。」
―治療にあたってリスクはありますか?
永田「副作用は少ないと言われていますが、他の治療と同様に副作用のリスクがあります。ツリウムレーザで主にみられる副作用は血尿(尿に血液が混ざる)、炎症(術後患部に違和感を覚える)、逆行性射精などがあります。」
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