東京都健康長寿医療センター病院研修カリキュラムのホームページにようこそ。
東京都健康長寿医療センター病院は、前身の東京都老人医療センターが1972年に開設されて以来、わが国の高齢者医療の最先端を切り開いてきた病院です。当センターは、単に診療のみを行う病院ではなく、同じキャンパスにある東京都老人総合研究所(平成21年4月に統合)と協力し、研究にも力を入れ多くの成果を生んできました。その結果、当センターは高齢者医療のメッカともいうべき立場を獲得し、全国の高齢者医療を志す多くの優秀な人材が集まる病院となっています。また、当センターで多くの経験を積んだ医師が、全国の種々の大学、病院、診療所で、高齢者医療の指導者として活躍しています。
当センターは、高齢者の診療、高齢者医療の研究、そして高齢者医療専門医の育成という3つの方針をバランスよく実現している病院と言えるでしょう。
人材育成の一環として、臨床研修にも力を入れています。臨床研修は、卒業後2年間の初期研修(ジュニアコース)と3年以後の専門研修(シニアコース)に分かれています。初期研修は、2年間のカリキュラムで原則としてスーパーローテート方式で行っています。専門研修は初期研修修了者に対し2~3年間のカリキュラムで内科、外科、さらに老年医学の専門医取得に必要な研修を行います。初期研修において、当センターでは実施しえない、「小児科」、「産科」、「地域保健・医療」の研修は、協力機関(研修協力病院、施設)で行って頂くことになります。150人の常勤医師、多数の非常勤医師、看護師をはじめとするコメディカルスタッフが一丸となって、皆様の研修が充実したものとなるよう努力を重ねています。
高齢者の特徴は、一人でいくつもの疾患を有していること、そして疾患の治癒に社会的背景や精神心理的背景が大きな影響を及ぼすことです。その意味で、高齢者の医療においては、疾患の診断、重症度、合併症の評価のみでなく、社会経済的な背景や精神心理的な背景の評価も重要となります。また、高齢者が住みなれた地域で安心して療養生活を送るためには、地域の医師や介護施設の方々との連携が重要な鍵を握ることになります。したがって、当センターでの研修では、単に疾患を診断し治療するというスキルのみならず、地域連携などを通し、今後の高齢化社会において医師として活動していくために必須な全人的医療の実践のためのスキルをも身に着けることができます。
さらに、当センターは、わが国の高齢者医療のリーディングホスピタルとして、再生医療、遺伝子と疾患との関係の解析、遺伝子解析によるオーダーメイド医療など最先端医療にも取り組んでいます。時代を先取りする医療は、どのように計画され、どのように実践されていくのかを、真近で肌で感じることができることも、皆様にとって貴重な経験となるでしょう。
当センターでの研修は、皆様にとって極めて貴重な、生涯の財産となるものと確信しています。多くの優秀な研修医の方々と、共に真摯に診療し、共に学び、切磋琢磨できることを職員一同楽しみにしています。