【経歴】
東京大学卒
【専門領域】
老年医学
認知症
【所属学会】
日本老年医学会
日本認知症学会
アジアオセアニア老年学会
東京都健康長寿医療センター理事長
鳥羽研二
日本は超高齢社会を迎え、人口の4分の1以上が高齢者です。1961年に制定された国民皆保険、2000年に施行された公的介護保険という世界に誇れるシステムを活用しても、大都市で諸課題を克服するのは容易ではありません。その原因は全国で600万人を超えている認知症と、その予備軍ともいうべき軽度認知障害(MCI)の増加が高齢化のスピードが早いために、絶対数が増加していることも一因です。政府は2019年に「共生と予防」をスローガンに認知症施策推進大綱を制定しました。その骨子は、社会全体で認知症を理解し、暮らしやすくすること、その決定に当事者が参加すること。家族や介護者の介護負担に留意し、認知症の研究では、生活習慣の改善も念頭にした、認知予防研究を促進することが記されています。東京都健康長寿医療センターは、東京都のご理解とご支援を得て、複数箇所で行ってきた地域の健康調査データの連結と統合、物忘れ外来で10年以上蓄積してきた、詳細な心理検査と先進画像検査、病理検査など認知症データベースを統合し、認知症ビッグデータを構築して、AIによる画像診断、新たなバイオマーカーの確立、個々人に適切な認知症予防の個別化医療の試みなどに研究事業を発展させていくため、「認知症未来社会創造センター」を立ち上げ、5年間の特別の重点課題とすることにしました。
都民の皆様のご理解とご支援をお願いいたします。