高齢者における心身の健康状態や生活機能の変化を正確に把握するためには、本人の状況を毎年あるいは数年ごとに繰り返し調査する必要があります。その際には、本人の生物学的な加齢による変化のみならず、疾病や生活習慣・生活環境、社会経済的な要因、さらには時代や地域特性などの影響までも考慮する包括的な長期縦断研究が有効です。
当センターの長期縦断研究の歴史は長く、前身である東京都老人総合研究所では、代表的なプロジェクトとして1991年より10年間、医学・心理学・社会学を包括する「中年からの老化予防総合的長期追跡研究」(TMIG-LISA)を遂行しました。地域住民を対象としたこの種の長期縦断研究において、当センターは日本のパイオニアと言えます。
その理念とデザインを継承・発展させ、現在、社会科学系研究チーム・テーマグループを中心に自然科学系研究チームや病院部門さらには他大学・研究機関等とも協働して10年以上継続するデザインで設計した5つの長期縦断調査が併走しています。
第4期中期計画では、これまで、個々に進められてきた首都圏を中心とするこれらの長期縦断研究をそれぞれの特徴や独創性を保ちながらもTokyo-LSA(Longitudinal Study on Aging)と称して、連携し、ビッグデータの強みを活かす研究へと発展させていきます。
▼各調査研究の詳細ページはそれぞれの記事をご参照ください