センターのなかでは様々なスタッフが働いています。臨床工学技士も、医師や看護師と同様、国家資格者であり、様々な場面でチームの一員として活躍しています。大きな役割は、近年の高度化・複雑化している医療機器に対して、工学的知識と医療的知識を併せ持ち、最善の操作や管理を行うことです。平成31年4月現在常勤16名、非常勤2名のスタッフが、医師の指示のもと、様々な科への医療技術提供や機器の保守・点検・修理を行っています。
透析センター
透析センターでは16床+隔離1床の計17床で入院透析・外来透析を行っております。
個人用透析監視装置6台(内2台がHDFが可能)、多人数用透析監視装置が11台(全台OHDF可能)があり、月・水・金は2クール 火・木・土2クールで施行しています。
そのほかの血液浄化としてPE、CART、G-CAP、LDL、DHPなどの治療も行っております。
臨床工学技士は機器の準備、穿刺、患者管理、返血、装置の保守、水質管理等、患者様が安全な治療を受けられるように4~8名で従事しています。
手術室での開心術
医師、看護師、臨床工学技士が連携し、虚血性疾患、心臓弁膜症、胸部大動脈疾患、腹部大動脈疾患などの手術を行っています。臨床工学技士は医師の指示のもと、人工心肺装置・心筋保護液の操作・記録・管理等を行います。
手術室内の医療機器管理
手術室内の医療機器点検、及びトラブル対応を行っています。
自己血回収装置の準備・操作
心臓外科や、外科・整形の手術の際、術野の出血した血液を吸引貯血し、貯めた血液を遠心分離にかけ濃縮・洗浄させた後、回収する装置の準備・操作を行っています。
ハイブリット室でのサポート業務
依頼のあった科に対して治療時のポリグラフの操作や、IVUS操作などの補助業務を行っています。
ICU業務
ICU内では補助循環・体外式補助人工心臓管理・血液浄化療法・呼吸器管理・CT搬送介助等を行っています。その他の医療機器の操作、看護師や医師への機器教育、トラブル対応に対して迅速に対応できるように従事しています。
血管撮影室内での心臓カテーテル検査・治療・画像診断装置の操作
X線透視下で、手首または足の付け根の動脈からカテーテルを挿入、造影剤を使用しながら冠動脈の検査を行い、疾患が認められた場合、balloonで拡張、Stentを留置し血流を改善させる治療「冠動脈インターベンション」を行います。 臨床工学技士は、患者様の状態をモニタリングしながら、治療に必要な画像診断装置の操作や検査時の圧の測定を行います。
体外式ペースメーカー時のサポート業務
血管撮影室での体外式ペースメーカーを挿入する際に、医師の指示の下、臨床工学技士が刺激様式(MODE)心拍数(RATE)・感度(SENSE)・刺激の強さ(OUTPUT)設定を行っています。
今後は植込式ペースメーカー管理業務を行う予定です。
アブレーション治療サポート業務
肺静脈隔離術(PVI)や経皮的中隔心筋焼灼術(PTSMA)治療時に医師の指示の下、サポートを行っています。
エキシマレーザー治療サポート業務
エキシマレーザー使用時には機器の点検や操作補助を行います。
補助人工心臓(VAS)には、血液ポンプを体内に植込むタイプ(植込式)と、体外に出ているタイプ(体外式)があります。体外式補助人工心臓管理では、患者様への教育・記録・装着中の管理を行っております。植込型については植込型補助人工心臓管理施設として、外来対応や日々の管理状況について人工心臓管理認定士が中心となりサポートを行っています。
医療機器管理業務
中央管理機器を、データベースソフトを使いながら、購入・貸出・返却・点検・修理・廃棄管理をおこなっています。代表的な管理医療機器は、人工呼吸器・輸液ポンプ・シリンジポンプ・除細動器・AED・ベットサイドモニター・セントラルモニター・肺塞栓予防用空気圧式機器・褥瘡予防用エアーマット・超音波式ネブライザー・低圧持続吸引装置・褥瘡吸引装置・体動感知式ナースコールなどです。
さらに、輸液ポンプ・シリンジポンプ・一部の人工呼吸器・除細動器・AEDについては臨床工学技士が、保守点検も行っています。
今年度輸液ポンプが更新となり最新機器が4月から運用されています。
院外搬送対応
人工呼吸器が付いた患者様が転院される際に、携帯型人工呼吸器を用いて、医師とともに救急車や、民間救急に乗り、安全に転院ができるように機器管理を行っています。
院内修理対応
医療機器にかかわらず、院内で発生する修理についてMEセンターで一元管理を行っており、臨床工学技士が病棟へ出向いて、様々な修理品について対応しています。院内修理不能の際にも事務と連携し、迅速な院外修理対応をサポートし、状況によっては機器の更新の必要性を提案することで、院内の医療機器の適正管理に貢献しています。
医療機器トラブル対対応
日中については、MEセンターに一報が入り、対応をおこないます。夜間の医療機器トラブルに対しては、当直者が対応しています。
呼吸器管理業務
ICUや病棟での呼吸器管理のため、一日1回呼吸器ラウンドを行い、呼吸器設定の確認や回路交換、適正な使用状況かを点検しております。今年度RSTの一員として立ち上げ準備中です。
持ち込み呼吸器の呼吸器管理
在宅で使用している呼吸器を入院時に持ち込み使用される方もいるため、入院中の呼吸器管理をサポートしつつ、入院される各病棟スタッフへ勉強会を行い、安全に呼吸器管理ができるように努めています。
ラジオ波焼却術
ラジオ波焼灼術は、肝臓がんを死滅させるために行なわれる治療です。ラジオ波とは、AMラジオなどの周波数に近い周波数約450キロヘルツの高周波のことで、他の医療機器(電気メスなど)に使用される高周波と同じものです。超音波装置で観察しながら皮膚から肝臓内に挿入する方法(経皮的ラジオ波焼灼術)を用い、臨床工学技士はラジオ波装置を医師の指示のもと操作します。
【ラジオ波イメージ】
幹細胞採取(末梢血幹細胞採取・骨髄濃縮業務)
末梢血幹細胞採取では、末梢血液中の造血幹細胞に対し造血因子(G-CSF)を使用し、一過性に著明に増加させた時期に合わせて血液成分分離装置を用いて単核球採取を行うことで、末梢血幹細胞採取が可能となります。臨床工学技士は医師の指示の下、成分分離装置の操作を担っています。
骨髄濃縮業務は、ドナーや患者から採取された骨髄液中の不必要な赤血球や血漿を除去し選択的に単核球を採取する方法です。臨床工学技士は採取された骨髄液を、遠心型血液成分分離装置を用い、医師の指示の下、骨髄液から必要な成分の採取を行います。
和温療法
和温療法は60℃に設定した遠赤外線乾式サウナ治療室で全身を15分間温め、サウナ後さらに30分間の安静保温を行い、終了後は発汗に見合う水分を補給する治療法であり、当院では医師の指示の下、臨床工学技士は安全に治療が行えるようにサポートをおこないます。
院内医療機器についての勉強会
院内の医療機器の関わる勉強会の要望があれば、少人数であっても対応しております。
当院の現存機器や、新規医療機器の購入時、在宅人工呼吸器患者の入院に対してなど、多職種スタッフへ臨床工学技士が勉強会を行い、院内の安全管理の向上に努めています。
当直業務
当直を平成29年10月から1名体制で開始しました。緊急カテーテル検査・治療や呼吸器管理・院内機器トラブルに対応し、24時間・365日、病院の安全に貢献しています。
研修・認定資格取得
臨床工学技士が扱う生命維持管理装置他、医療機器の管理・操作等おこなうには専門性の高い知識と技術の向上が求められるため、スタッフに対しての、院内研修、認定取得のための院外研修や学会発表に積極的に参加させています。
チーム医療の実践
毎日行われるカテカンファレンスや透析カンファレンス、定期開催される、腎臓内科医・看護師との透析センターカンファレンス、心臓外科医・看護師・麻酔科医との心臓外科術カンファレンス、多職種でのVADカンファレンス、TAVIカンファレンスへ参加し、チーム医療を実践しています。
臨床実習生受け入れ
臨床工学技士の育成貢献のため、実習生の受け入れを行っています。
・東京工科大学 臨床工学科
臨床工学科技士長 臨床工学技士
たかおか ゆうこ
卒業年次 | 平成7年 |
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専門 | 臨床工学技士 |
資格 | 人工心臓管理技術認定士 透析技術認定士 日本アフェレシス認定技士 |
臨床工学科主任技術員 臨床工学技士
ほんだ ひろかず
卒業年次 | 平成11年 |
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専門 | 臨床工学技士 |
資格 | 体外循環技術認定士 人工心臓管理技術認定士 3学会呼吸療法認定士 |
次席 臨床工学技士
おざわ なおと
卒業年次 | 平成18年 |
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専門 | 臨床工学技士 |
資格 | 体外循環技術認定士 人工心臓管理技術認定士 3学会呼吸療法認定士 |
次席 臨床工学技士
わだ ともゆき
卒業年次 | 平成15年 |
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専門 | 臨床工学技士 |
資格 | 透析技術認定士 3学会呼吸療法認定士 |
主任 臨床工学技士
しんたに つよし
卒業年次 | 平成6年 |
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専門 | 臨床工学技士 |
資格 | 人工心臓管理技術認定士 透析技術認定士 3学会呼吸療法認定士 |
主任 臨床工学技士
むらのい かずき
専門 | 臨床工学技士 |
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資格 | 体外循環技術認定士 人工心臓管理技術認定士 周術期チーム医療臨床工学技士 |
主任 臨床工学技士
かなざわ ゆうき