膠原病・リウマチ科

午前 久保








杉原
坂内






久保




瀬理





小林聖未





午後 久保















久保















小林聖未






特徴

若い方から年配の方まで個々の患者さんの気持ちをよくお聞きして、各々の患者さんにとっての最適の治療を提供いたします。 主な対象疾患は以下の通りです。これらの疾患は20代から発症する疾患も含まれます。受診にあたり年齢制限はありません。

関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、乾癬性関節炎

以下の指定難病
全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病、 血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、悪性関節リウマチ、結節性多発動脈炎、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎など)、 シェーグレン症候群、成人スチル病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、IgG4関連疾患、サルコイドーシス

  • 患者様、一般内科、整形外科の先生方へ
    次のような症状があったら当科を受診あるいは紹介ください。
    • 手指、手首の関節痛が持続する
      (後述する関節リウマチの説明を参考にしてください。)
    • 発熱が持続する。血液検査で炎症反応が持続している。
    • 寒いときに手指が冷えて白くなる、あるいは紫色になる。温まると赤くなる。
    • 顔面あるいは手指に皮疹ができる。
    • 両肩あるいは肩周囲の痛みが、同時期に急に出現した。
    • 抗核抗体が陽性、リウマトイド因子が陽性
    • 抗CCP抗体陽性
    • リウマトイド因子、抗CCP抗体陰性だが、関節炎、あるいはCRP軽度上昇伴う関節痛が持続。
    • 膠原病に伴う肺病変疑い(間質性肺炎、胸膜炎など)。
    • 膠原病に伴う腎病変疑い(糸球体腎炎、間質性腎炎など)。
    • 膠原病に伴う肺高血圧症疑い。
    • 膠原病に伴う末梢神経あるいは中枢神経病変疑い。
    • 膠原病に伴う貧血、血小板減少、白血球減少疑い。
    • その他、膠原病疾患、リウマチ疾患を疑う場合。

第2関節、第3関節(指の付け根)、手関節が痛い、こわばる、腫れている、むくんでいるときは、当科外来を受診してください。

関節リウマチ、その他の膠原病疾患で痛みの出やすい関節

関節リウマチ、その他の膠原病疾患で痛みの出やすい関節

  • 初診の患者様へ

    予約センター(03-3964-4890、予約室直通)に電話で予約をとって予約日に来院ください。内科あるいは整形外科のかかりつけ医師がいる場合は、かかりつけ医からの紹介状を持参ください。すでにリウマチ疾患、膠原病疾患で治療を受けている方は、治療経過が分かるように主治医の先生の紹介状を持参お願いいたします。外来患者さんの増加に伴い、病状が安定している患者さんに関しましては、かかりつけの内科や整形外科の先生に紹介しております。専門医による診療を皆様に受けていただくため、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

  • ご紹介いただく先生方へ

    入院患者さんの転院依頼の場合は医療連携室03-3579-6963 (直通)に依頼をお願いいたします。病棟の状況により、転院依頼をお受けできないこともありますので、ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

外来医師配置表

疾患診療方針概要

  • 関節リウマチについて

    関節リウマチは、免疫が自分自身の関節を攻撃することによって、関節が腫れて痛くなります。免疫は通常は細菌やウィルスなどから体を守るためのシステムですが、関節リウマチでは、細菌やウィルスなどから体を守ると同時に自らの体も傷つけてしまいます。

    正常関節の中は図の左に示されるように滑膜(かつまく)でおおわれています。関節リウマチでは滑膜の中で免疫が暴れて火事のように燃え上がります。燃え上がった状態を炎症と呼びます。燃え上がっている(炎症がおこっている)滑膜は厚くなって(増殖する)きます。その結果、関節が見た目でも腫れてきて痛くなります。

    関節のなかで炎症が続くと、関節内の軟骨・骨・腱が徐々に破壊され、変形がおこり関節機能が低下します。加えて、肺疾患、心疾患、腎疾患など内臓の病気を合併しやすくなります。関節リウマチは治療を行わないと痛くて変形するのみでなく、内臓も悪くなることを忘れてはいけません。

間接リウマチとは

関節リウマチは早期診断 早期治療が大切です。関節の中では山火事のように免疫異常によって炎症が起きています。早く火を消してあげないと関節が壊れてしまいます。進行しますと、破壊された関節が再生することは困難です。

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日本では1999年からメトトレキサートという抗リウマチ薬、2003年から生物学的製剤の使用が可能となり、両剤がリウマチ診療の柱となってから、関節リウマチの治療は大きく進歩しています。

リウマチ治療の歴史NSAID:痛み止め DMARD:抗リウマチ薬
MTX:メトトレキサート エビデンス: 病気の実態や治療効果に関する研究結果

最新の考え方では、治療の中心にメトトレキサートが位置づけられております。メトトレキサートについての説明は日本リウマチ学会から出されている患者さん向けのパンフレットがあります。以下のアドレスからpdfを取得できます。(http://www.ryumachi-jp.com/info/mtx.html
パンフレットを読んでわからないところがありましたら遠慮なく質問してください。

  • 関節リウマチに使用されている分子標的薬
標的となる分子投与方法商品名一般名
1 TNFα 点滴 2ヶ月1回 レミケード インフリキシマブ
2 TNFα 皮下注射 週1回 エンブレル エタネルセプト
3 TNFα 皮下注射 月2回 ヒュミラ アダリムマブ
4 TNFα 皮下注射 月1回 シンポニー ゴリムマブ
5 TNFα 皮下注射 月1回 シムジア セルトリズマブ ペゴル
6 IL-6 点滴 月1回
皮下注射月2回
アクテムラ トシリズマブ
7 T細胞 点滴 月1回
皮下注射月2回
オレンシア アバタセプト
8 JAK 内服 ゼルヤンツ トファシチニブ

関節リウマチは治療進歩により、治療目標も大きく変わりました。

関節リウマチの治療目標

  • 通院中の患者様へ

手洗いとうがいの習慣をつけましょう。感染症流行期はマスク着用、インフルエンザワクチンは毎年受けて下さい。高齢者は肺炎球菌ワクチンの接種もお勧めいたします。

  • メトトレキサート(リウマトレックス、メトレート)内服中の患者様へ

発熱が2-3日持続するとき、感染症にかかったとき、脱水症のとき、ひどい口内炎ができたときメトトレキサートは中止してください。1-2週程度中止しても悪化しないことのほうが多いです。

  • 膠原病の内臓病変の治療に使用する代表的薬剤

ステロイド療法のみでは病気が進行してしまう場合、ステロイドの減量により病気が再発する場合、ステロイドの副作用でステロイド治療の継続が困難となる場合は免疫抑制剤を併用することがあります。免疫抑制剤の副作用については主治医に確認してください。

薬剤名特徴
プレドニゾロン
(商品名プレドニン)
ステロイド薬です。副作用が後述するように多彩ですが、残念ながら膠原病の内臓病変の多くはステロイドを使用しないと治りません。
シクロホスファミド 免疫抑制剤、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、皮膚筋炎の間質性肺炎、全身性エリテマトーデス、悪性関節リウマチの治療に主に使用
タクロリムス 免疫抑制剤
皮膚筋炎の間質性肺炎、関節リウマチの間質性肺炎、
全身性エリテマトーデスに主に使用
アザチオプリン 免疫抑制剤、ステロイド抵抗例の様々な膠原病に使用
ミコフェノール 免疫抑制剤、全身性エリテマトーデスに使用
リツキシマブ 免疫抑制作用のある生物学的製剤
顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症の治療に使用
ガンマグロブリン大量静脈投与 難治性の皮膚筋炎 多発性筋炎に使用
血漿交換 難治性の顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に施行
ボセンタン、アンブリセンタン 膠原病疾患に合併する肺高血圧症、難治性手指の血流障害に使用。
シルデナフィル、タダラフィル 膠原病疾患に合併する肺高血圧症に使用

  • ステロイド内服中の患者様へ
  1. ステロイド減量中に病気が再発することがあります。ステロイドは副作用が多いため再発の可能性があっても外来で減量を行います。症状が改善しても医師の指示に従い外来を通院してください。
  2. 自己判断でステロイドを減量あるいは中止しないでください。病気が再発したり、副腎不全をおこし危険な状態になることがあります。
  3. 感染予防が大切です。規則正しい食事と十分な睡眠をとってください。人ごみではマスクをして、手洗いとうがいの習慣をつけましょう。インフルエンザワクチンは毎年受けて下さい。高齢者は肺炎球菌ワクチンの接種もお勧めいたします。さしみ等の生食については主治医に相談してください。
  4. 合併症対策の薬剤を複数の種類内服いただくことがあります。合併症の悪化を防ぐため医師の指示通りの合併症対策の薬剤も継続してください。
主な副作用具体的内容
感染症 細菌感染症(肺炎、尿路感染、敗血症、皮膚感染症、膿瘍など)
結核、非結核性抗酸菌症
真菌感染症(ニューモシスチス肺炎、アスペルギルス感染症など)
ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、帯状疱疹、B型肝炎、EBウィルスなど)
骨、筋肉への影響 骨粗鬆症、骨折(脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折など)、
骨壊死、ステロイド性の筋委縮
創傷治癒の悪化 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の悪化、皮膚潰瘍の悪化、気胸
成人病 糖尿病悪化、高血圧悪化、心負荷、ステロイド性浮腫
精神症状 不眠、うつ病の悪化、ステロイド精神病、不穏、認知症の悪化
その他 白内障、緑内障の悪化、ステロイド性浮腫、中心性肥満、脱毛

スタッフ紹介

膠原病・リウマチ科部長(診療科長)

久保 かなえ

くぼ かなえ

出身大学神戸大学
卒業年次平成7年
専門関節炎疾患、膠原病・血管炎症候群および関連疾患、それに伴う腎障害
担当外来/担当診療科膠原病・リウマチ科
資格日本内科学会 総合内科専門医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医
腎臓専門医
難病指定医
日本リウマチ学会 評議員
コメント幅広い年齢に様々な症状が生じる病気ですので、多くの専門科と連携して丁寧に対応いたします。
常勤医
  • 小林 聖未(こばやし さとみ)
非常勤医
  • 杉原 毅彦(すぎはら たかひこ)
  • 瀬理 祐(せり ゆう)
  • 坂内 穎(ばんない えい)