2017年3月末に、日本で3番目となる半導体PET/CT GE Discovery MIが導入されました。(図1)
2013年6月に新施設の開設と同時に導入されたGE Discovery PET/CT 710(図2)と合わせて高性能PET/CTが2台となります。
今まで運用されていたPET/CT 710に関しても、time-of-flightなどの先進的な技術が使われ、高性能でありますが、今回導入された機種は、光電子増倍管の代わりに半導体を使用し、今までよりも約2倍の感度を誇る最新鋭の機種です。
高い感度により、今までよりも良い画質が得られます。また、短い時間で撮像することも可能です(図3)。図3の「MI短時間」は、全身の撮像時間がたったの6分相当です。
高齢者では、長時間の撮像が難しい場合もありますので、そのような場合には短時間収集が役立ちます。
画像再構成も進歩しています。Q.clearという新しい再構成法を使えば、たった1秒の収集時間でも、形が見えてきます(図4)。OSEM(逐次近似法の代表的なもの)も比較的優れた再構成法ですが、Q.clearでは、中の大きな球を描出することまでできています。
このように、Q.clearは特に小さな腫瘍を明瞭に描出するのに役立つと思われます。
再構成に時間がかかることが問題ですが(時には収集時間よりも長くなってしまいます)、Discovery PET/CT 710でもQ.clearによる再構成も始める予定です。
図PET3 710、MIで撮像した画像
MI短時間撮影は、全身を6分相当で撮像。
画像再構成も進歩しています。Q.clear という新しい再構成法を使えば、たった1 秒の収集時間でも、形が見えてきます(図PET4)。OSEM(逐次近似法の代表的なもの)も比較的優れた再構成法ですが、Q.clearでは、中の大きな球を描出することまでできています。このように、Q.clear は特に小さな腫瘍を明瞭に描出するのに役立つと思われます。再構成に時間がかかることが問題ですが(時には収集時間よりも長くなってしまいます)、Discovery PET/CT 710でもQ.clear による再構成も始める予定です。
図PET4 MIにて1秒で収集したファントーム画像。
Q. Clearでの画像再構成法は優れている。
図PET5-10 にDiscovery MI での悪性腫瘍の症例画像を提示いたします。FDG PET にて、悪性腫瘍の病期診断などに役立っています。
また、図PET11 にDiscovery MI で撮像した正常の美しい脳の画像を示しています。先進医療B「FDGを用いたポジトロン断層 撮影によるアルツハイマー病の診断」に参加しております。将来は、認知症の診断に保険診療でFDG PET を使うことを目指しています。
図PET11
健常成人の脳。分解能が高いだけでなく、灰白質と白質のコントラストにも優れる。
今までは、PET 検査は、当センター担当診療科に患者様をご紹介いただく必要がある装置との位置づけでしたが、PET-CT 装置が2 台になったことで、C@RNA から予約が出来るようにいたします。
予約が簡単になりますので、ぜひご活用ください。
予約状況や当センターでの対応状況に鑑みながら、徐々に予約枠を拡充していきます。
当センターでは毎週月曜日と金曜日に保険診療のPET-CT 検査を行っております。心臓サルコイドーシスにも保険適応が拡充されましたが、絶食時間の条件が異なりますので、その場合にはご連絡をしてください。
FDG PET-CT は、早期胃がんを除く悪性腫瘍の病期診断に保険適応があります。
検査自体は低侵襲のため高齢者や様々な合併症を抱える患者様にも安全に検査が受けられます。最新のPET/CT により一層近隣の先生方の診療や地域の皆様の健康にお役に立てればと思います。