総合内科・高齢診療科

午前 岩切 大川
中山
岩切
村野
当番医
午後 岩切・濱谷 中山
ポリファーマシー・フレイル外来
岩切 岩切・濱谷・ポリファーマシー 片岡

 加齢に伴い、食欲低下、体重の減少、活動性が低下、疲れやすい、ふらつくなど、どこに原因があるのかわからないような症状がふえてきます。それらの症状は「老年症候群」とよばれ、50くらいあると言われています。一見「歳のせい」と見過ごしがちな症状ですが、原因を特定し治療を行うことで症状の改善につながることも少なくありません。一方、ご高齢になると、検査を行っても原因の特定には至らず、うまく付き合っていかなくてはならない症状があることも事実です。ご不安を一つ一つ解決し、ご自分の症状とどう付き合っていくべきかについて考えていくことは、人生100年時代となった今大変重要なことです。
 
総合内科では、患者さんの身体の機能に応じ、無理のない範囲で症状の原因について検査を行います。専門的な治療が必要な場合には、専門の診療科にご紹介します。また、定期的な検査を当院で行ったほうが良い場合には、診療所の先生方と連携をとりながら経過をみさせていただきます。
 高齢診療科では、フレイル(心身機能の低下)、ポリファーマシー(薬に関する問題)、栄養摂取状態の悪化、認知生活機能や心理状態の悪化、もしもの時への備えなど、高齢者特有の問題について目を向け、ご家族はじめ介護者の方々のお話にも耳を傾けます。医療ソーシャルワーカーや栄養士など、多職種で関わりながら高齢者の心身の機能を高め、介護者の負担軽減に貢献することも目指しています。

総合内科

特徴

① 急性の症状についての検査と治療

  • 肺炎などの感染症や、癌などの悪性疾患の有無について検査を行います。
  • 専門的な治療が必要な場合には、専門の診療科をご紹介します。
  • かかりつけの先生と連携をとりながら必要に応じて経過観察を行います。

② 慢性的な症状についての検査と治療

  • 症状やこれまでの経過についての詳細を確認し、検査を行います。
  • 専門的な治療が必要な場合には、専門の診療科にお繋ぎします。
  • 内服中の薬が症状に関係していないかどうか確認します。
  • 原因の特定に至らず、加齢などが関与している場合は、解決策を一緒に考えます。

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診察・検査例:食欲不振、体重減少

 食欲が低下すると、第一に胃腸の病気や悪性疾患心配されるではないかと思いますが、高齢の患者さんにおいては、食欲低下の原因は多岐にわたります。血液検査や画像検査いますが、内臓に治療すべき疾患が見つかるとは限りません。内服中の薬による副作用や口腔内のトラブル、治療中の疾患の悪化、認知症、老人性うつ、加齢による生理的変化などが原因であることも少なくありません。様々な原因を念頭において診察・検査を行います。

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高齢診療科

特徴

加齢に伴う問題について評価を行い、対策を検討いたします。
①フレイルの評価:認知機能、筋力等を評価し、フレイル予防対策の助言を行います。
ポリファーマシー対策:薬の飲み残しや副作用が出現していないかについて確認します。
③栄養摂取状況が不良の場合、歯科口腔外科や栄養科とも連携し、栄養状態の向上を目指します。
④加齢により生活機能に支障が出ている場合、評価をおこない助言を致します。
⑤「もしもの時」のために、考えておくべきことについて情報を提供します。

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フレイル予防対策:フレイルの評価を行い、健康寿命の延伸を目指します。

 フレイルとは、加齢と共に身体の活力が低下し、要介護状態に近づくことです(図4)。フレイルの原因は、図5に示すような原因でおこります。フレイル外来にて、図5に示すような評価を行い、結果に応じて運動指導、栄養指導、社会参加への提案を行い、要介護状態に陥らない対策を立てます。著しい認知機能低下や、身体機能の低下が明らかな場合には、脳神経内科や整形外科などにご紹介する場合もあります。
 フレイルの評価を行うとMCI(軽度認知障害)が判明する方が少なくありません。しかし、MCIの段階で運動を行い、食事に気を付け、認知トレーニングを行うことで認知症の発症を遅らせることが可能です。
 フレイル状態であっても、「運動すること」「タンパク質の多い食事をよく噛んで食べること」「社会参加をすること」をバランスよく実践することで健康な状態に体を戻すことが可能です(図6)。
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ポリファーマシー対策:内服治療に関連する問題の有無について確認します。

 薬を内服することにより、不快な症状が出てしまう、飲み残しが多く治療がきちんと遂行されない、複数の診療科から効果が同じ薬が出されるなど、薬の関連する問題すべてを総括してポリファーマシーと呼んでいます。
 多くの薬は体の中で効果を発揮した後、肝臓で代謝され腎臓から排泄されます。加齢により腎臓の機能が低下すると薬が体に蓄積しやすくなるため、同じ薬を同じ量飲んでいても、体の機能の低下に伴い相対的に薬の量が多くなり、効き過ぎによる症状が気づかないうちに出ていることがあります。
 しかし、薬は生命を維持していく上で重要な役割を果たしていますので、勝手に止めるわけにはいきません。薬を処方している主治医とよく相談のうえ、薬の内容や量について調整する必要があります。当センターにおけるポリファーマシー対策を示します(図7)。

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初診の患者さんへ

予約センターにてご予約下さい(03-3964-4890 予約室直通 受付は9時から17時)

総合内科外来:月、火、水、木、金の9時から11時または月、火、金の13時から15時
高齢診療科外来:月、水、木の13時から15時

  • 複数の問題をお抱えの方は、午後の高齢診療科外来のご予約をお勧めします。
  • もの忘れや認知症の診察のみをご希望の場合は、もの忘れ外来への予約受診をお勧めします。
  • 予約外受診の場合、お待たせしてしまうことがありますのでご承知おきください。
  • お薬手帳を必ずご持参ください。
  • 診察をスムーズに進めるために、なるべく診療情報提供書をご持参ください。
  • 同行の方が患者さんとは別室でお話をしたい場合は、問診票を受け取る際にスタッフにお申し出いただくか、メモをお渡しください。
  • 37.0℃以上の発熱や、咳、喉の痛みなどを伴う場合には予め11番受付にお申し出ください。コロナ抗原検査やインフルエンザ検査を行い、陰性確認後の診察となる場合もあります(結果が出るまでに30分ほどかかります)。
  • 37.5℃以上の発熱を認める場合には、原則として救急外来における対応となります。
  • 当院は臨床研修医の教育機関の役割も担っているため、研修医が問診をとらせていただく場合がありますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 総合内科、高齢診療科外来においては、生活習慣病などの定時内服薬の処方は原則として行いません。病状が安定した後、かかりつけの診療所さんをご紹介しております。

ご紹介いただく先生へ

  • 前日までのご予約は予約センターにて承ります。
    03-3964-4890 受付は9時から17時 予約センター直通)
  • 当日のご予約、入院相談は連携室にご連絡ください。ご病状によっては救急外来にご案内いたします。
    03-3579-6963 受付は9時から17時 連携室直通電話)

在宅医療連携病床

特徴

在宅医療を行っている連携医を支援する病床です。 連携医の訪問診療を受けている患者さんが、在宅での療養生活を安心して継続していくため、連携医の依頼に応じて全身状態や摂食嚥下機能、褥瘡などの評価を行います。その結果により治療に結びつけたり、今後の療養生活に必要な情報を提供していきます。

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外来医師配置表

スタッフ紹介

総合内科     高齢診療科部長  (診療科長)

岩切 理歌

いわきり りか

出身大学日本医科大学
卒業年次平成元年
専門内科一般、血液疾患、老年医学
担当外来/担当診療科総合内科 / 救急外来 / ポリファーマシー・在宅支援外来
資格日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会血液専門医
日本老年病学会認定老年病専門医
コメントご不安の解消に繋がるようお手伝いいたします。

総合内科     在宅医療連携病床 医長

大川 庭熙

おおかわ ていき

出身大学東京大学
卒業年次平成21年
専門循環器内科
担当外来/担当診療科総合内科 / 循環器内科 / 救急外来
常勤医
  • 中山 智博(なかやま ともひろ)
  • 村野 陽子(むらの ようこ)
  • 濵谷 広頌(はまや ひろのぶ)
非常勤医
  • 片岡 愛(かたおか あい)
シニアレジデント
  • 阿部 公俊(あべ まさとし)