「フレイル」とは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態として、日本老年医学会が2014年に提唱した概念です。
多くの高齢者は健常な状態から、筋力が衰える「サルコペニア」という状態を経て、さらに生活機能が全般に衰える「フレイル」となり、要介護状態に至ると考えられています。
『高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が増加し、障害、施設入所、死亡など負の転帰に陥りやすい状態』と定義されるフレイルには、しかるべき介入により再び健常な状態に戻る、という可逆性が包含されており、高齢者の術前評価としての位置づけが注目されつつあります。
「フレイル」以外に、厚生労働省によって作成され基本チェックリストがあります。これは介護予防が必要である65歳以上の高齢者を早期に発見し、介護を必要とする生活を未然に防ぐための25のチェック項目です。
このほか、より高次の生活機能の評価を行なうことを目的として当センター研究所で開発された老研式活動能力指標も知られています。
研究内容の一部を、平成29年6月16日 第59回日本老年医学会学術集会、第30回日本老年学会総会でのシンポジウム『高齢者外科手術の限界』において、「フレイルと手術適応」として講演いたしました。
その後のデータ解析について、平成30年2月28日(水)の消化器フォーラムにて発表いたしました。