第31話 もの忘れを予防するには(その9)

もの忘れを予防するには(その9)

知的刺激の効用(後編)
 より趣味を活かした知的刺激はどうでしょうか?
 私は、小学校は将棋を有段者に習い、高校は囲碁部、大学はその当時正式なクラブ活動には認められていませんでしたが、麻雀部でした。最近は、囲碁も将棋もコンピュータ相手ですが、出始めのコンピュータは弱く物足りなかったです。最近は「待った」ができるソフト以外は不良品として相手にしません。
 さて、当センターの飯塚は、平均89歳前後で囲碁の経験のない方に、教える人たちと、教えない人たちに分け研究を行いました。実験の結果、囲碁を教えてもらった人たちは、つまずかないようにするなどの「注意機能」、複雑な情報を保持して処理し、対応する「ワーキングメモリー」の維持や向上の可能性が示されました。局面に応じて絶えず考える。序盤は空間の感覚が必要。中盤は相手の打ち方を読み、注意する。終盤は陣地の計算(黒、白の順で打つ囲碁は置いた石の陣地=目=の広い方が勝ち)する。頭の働かせ方が違うだけでなく、常に新しい方法を考える。それが脳の活性化につながると言っています。