第5話 寝たきりの原因疾患

生活を損なう原因となる病気は何でしょう?
死亡率の最大の原因の病気であるガンでしょうか? そうではありません。
太平洋戦争後、結核に代わって半世紀以上、ずっと脳卒中(脳血管障害)が、寝たきりの原因の第一位でした。2016年、国民生活調査で、「認知症」が一番の原因になり、当面これが変わることはなさそうです。一方、一見別々に見える高齢による衰弱、関節疾患、転倒骨折は、筋骨格系の移動能力の低下が共通因子で、ストレスに弱い「フレイル」という括りでまとめられます。
この合計は要介護の原因の1/3以上をしめます。 

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厚生労働省 国民生活基礎調査(2016)を参考に著者が作成

フレイルと認知症で寝たきり原因の6割以上を占めることから、次回からまずフレイルの考え方と予防のシリーズを始めます。