第37話 元気を取り戻す(その3)

元気を取り戻す(その3)

ポストコロナ 心のモーターを動かし活力を取り戻そう

 新型コロナ感染症(COVID-19)も小康状態になりました。
 ようやく外出したり、知人と会食したりして、元気を取り戻しておられる方も多いと思います。心や体の活力が減少して、心身のストレスで生活機能が低下しやすい状態を「フレイル」と言いますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、フレイルの方が50%以上増えたと言われています(1000人あたり17人がコロナ後61人に. Ofori-Asenso R, Chin KL, Mazidi M, et al. Global Incidence of Frailty and Prefrailty Among Community-Dwelling Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2019;2(8):e198398. )。そして、最もフレイルになりやすかったのは、独居で社会的交流の少ない方で、危険度は2倍でした。(Yamada M et al. The Influence of the COVID-19 Pandemic on Physical Activity and New Incidence of Frailty among Initially Non-Frail Older Adults in Japan: A Follow-Up Online Survey, J Nutr Health Aging 2021 25(6)751*756.)


 私が活力に着目したのは、30年前のことで、寝たきりの高齢者がケアの仕方で、表情が大きく変わるという現場の看護師さんの言葉をヒントに「意欲の指標」開発した時期に遡ります。
 排尿誘導をしてトイレで排尿していただくだけで、意欲が向上し、生活機能も向上しました。また生命予後も意欲と密接な関係があることを発表しました。