元気を取り戻す(その4)
意欲は慢性の病気にも関連があり、脳血管障害や認知症では意欲の低下は大きく、腰痛や関節疾患では比較的意欲が保たれており、早期のリハビリテーションが重要と考えました。
そこで、全国老人保健施設協会と連携し、認知症の短期集中リハビリテーションで意欲も測定しました。認知症の短期集中リハビリテーションはマンツーマンで、その人の趣味や得意なことを中心に、その日の体調によって、会話、音楽、図工、体操、ゲームなどを選んで20分間週3回行います。3ヶ月後の結果で、意欲が向上したばかりか、重い方でも昼間寝てばかりいる、無関心、昼夜逆転、徘徊などの症状に有効でした。
私以外の研究者からも整形外科疾患でのリハビリによって意欲の向上が示されました。
その後、医療保険で「入院中に意欲や生活機能を評価して退院支援につなげる」総合評価加算が、現在では高齢入院者全てに適応されていることはご存じかと思います。