元気を取り戻す(その7)
趣味を生かす。将棋と正座
小学校4年の時、柔道を習いたいと父に相談したところ、関節障害など医学的見地から、将棋に変更された。部下の外科医の有段者宅に通い、6枚落ちから指導を受けた。師曰く「技術より礼節」「礼に始まり、礼に終わる」そのため1時間から2時間正座を崩さず対局指導を受けた。関節にはこちらも良くないと思えた。
高校以降は胡座が主流となり、プレフレイルの今は関節可動域の減少のため、足投げ出しの日々である。
実家で法事があった時、皆高齢化しており、神主(我が家は神道)以外は小さな椅子に座って行った。神々に対し大変失礼なことをしたと後悔しているが、止むを得ない措置であった。
ある宴会が畳の間で開かれ、主賓の祝辞を皆無理をして正座で聞いていた。皆3分のスピーチを期待していたが、興に乗られたのか、大先生の話は30分に及んだ。最後に「簡単ではありますが私の話を終わります」と言った時、皆の顔は安堵したが、かなり蒼白に見えた。皆腰を浮かしはじめ、見方によっては演者に最敬礼をしているようにみえ、一部は涙さえ浮かべていた。演者は「俺に話はそんなに皆を感激させたか」と思ったようだった。しかし本当は痛みの涙と、痺れの激痛をいかに緩和するかに悪戦苦闘しているだけであった。
現在では将棋は「藤井聡太効果」で盛んである。時に私もコンピュータ初段相手に指す(私も初段くらいです)最近の完勝画面を見て下さい。ここからならあなたも藤井聡太に勝てます。