長寿の俗説(その8)
気持ちの持ちようで寿命は伸びる?
○感謝の気持ちを持つ人は長命、恨みがましい人は短命の傾向がある
米国の約5万人の女性看護師を2016年から2019年まで調べた研究では、感謝の気持ちの持ちようを3段階に分けた時、感謝の気持ちを多く持つグループは、健康状態など他の要素を全て加味しても、一番少ないグループに比べ10%死亡率が低いことがわかりました(ハザード比0.91、0.84-0.99)。特に、心血管系の死亡率が15%少ないことが特筆されます(Chen T: JAMA Psychiatry 2024)。
恨みを抱く人の寿命が7年以上短い(Robert Sapolsky)との情報があるが、文献では確認できない。ストレスによる心疾患やうつが増えるようだ。
怒りを表に出す人はストレス発散になり、長命であるという報告もありますが、持続的に怒りっぽい人は、心血管系疾患が多く、寿命短いようです。
性格は遺伝的には多因子によって影響され(Polygenic factors)、環境要因も大きい。
2005年に5つの性格パターンの検討で誠実さが死亡率を下げることが報告されましたが(Weiss A: Comparative Study 2005)、当センター増井らは、65歳以上1,300人以上の14年間の縦断研究で、外交的な人、寛容性の深い人、誠実な人は皆それぞれ25%死亡率が低かったことを報告しました(Iwasa H et al: Int J Environ Res Public Health 2022)。